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黄昏の決闘 #02

少年は、アッと息をのんだ。

草むらに人が倒れていた。
赤のボディースーツで全身を包みこんだ男で、頭には赤いヘルメットをつけていた。

(ハ、ハリケンレッド……)

どうやら息はある。
が、スーツのあちこちに傷が開き、身をおこすこともかなわないほどの深手を負っているようだ。

さらに、向こうには黄色い人影。
ハリケンイエローが、仰向けに倒れたまま、痛みに苦しんでいた。

(こ、ここで……)

ジャカンジャとの闘いがあったのか。
そしてハリケンジャーたちは敗北を喫したのか。

風にススキがざわりとなびいた。
川音。
遠くの鉄橋で、通勤電車が通過する。

低い人音を、少年は聞いた気がして、素早く振りかえる。

静かに自転車を倒した。
気配は、橋脚のあたりにあった。

ススキをかきわけて少年は進んだ。
皮膚を葉がかすめて細かい傷をつくったが、ものともしなかった。

なにかを蹴飛ばした。
拾い上げると、青い紋章のついた忍者刀だった。

少年は、ハッと顔をあげる。

夕霧がただよっていた。
ススキのむこうに、死人のような顔をした浪士風が、懐手で立っていた。
少年は、腕をそっとのばし、穂をよせる。

ハリケンブルーが崩れ落ちていた。
無様に尻餅をついた姿で、橋脚のたもとでへたりこんでいた。

気を失っているのだろうか。
青いヘルメットは前にかしいだまま、ぴくりとも動かない。

(ハ、ハリケンブルー……)

ひどいダメージで、よく見れば、アイシールドの向こうがわが半分がた砕け、素顔が覗きだしているではないか。

死人にような顔をした男は、何事もないようにぶらりと近づくと、懐手のまま、ハリケンブルーを見下ろした。

(お、起きろっ。ハリケンブルー)

少年は、思わずこぶしをかためるが、黒い革袴をはいた男に、殺意は感じられない。
それどころか、なにやら思案しているような雰囲気だ。

(て、敵だろ それならどうして……)

とどめを刺さないのだ。

――と。





[2006/09/01 14:55] | 黄昏の決闘 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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