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ハリブル痴漢包囲網 #01

ハリケンブルーこと野乃七海は、マスクのなかで、ふと眉をひそめた。

背後に不審な気配があった。
タイトなシノビスーツでぴーんと張りつめた尻の丸みに、手の甲が柔らかく押しつけられていた。

(――痴漢?)

思いがけないことだった。
シノビスーツに不届きな手が伸びてくるなど、想像をしてみたこともなかったのだ。

(……)

そっと後ろを伺った。
手の甲は、電車の揺れにまぎれるようにして、どうやら尻の弾力を確かめているらしい。

(ど、どうしよう……)

いつもの七海なら、すかさず声をあげていたことだろう。
ものおじしない性格の七海は、痴漢を吊るしあげることに、なにもためらうことはなかった。
が、いまは余計なトラブルは避けたかった。
満員電車に逃げ込んだジャカンジャに、あとわずかと迫っていたのだ。

ハリケンブルーが対応に迷っているうちに、、手が少しずつ位置をずらしてきた。
お尻の谷間の感触を、痴漢は愉しもうという魂胆らしい。

(やだ……)

と、ハリケンブルーは戸惑った。
闘いに身をおいているときは、男も女もなかった。
それが、痴漢の手が伸びてくることによって、女としての自分に、不意に気づかされたような気分だった。

ハリケンブルーがわずかに気後れしたことを、男は機敏に察知したらしい。
てのひらを表に返し、ヒップ全体を包み込んでくる。

ハリケンブルーは身をこわばらせた。
厚かましいというだけではなかった。
シノビスーツがタイトなだけに、尻肌にくいこむ痴漢の指を、敏感に感じとれてしまうのだ。

ラバーのようなシノビスーツのなめらかさを、痴漢はてのひらで愉しんでいた。
円を描くように手が動くと、なめらかな青のスーツがキュキュッと音をたてるのだった。

痴漢はやがて、シノビスーツの裾先を狙う気配を見せてきた。

ハリケンブルーはハッとした。
胸もとに紋章を染めぬいた青のシノビスーツは、ボディコンシャスなワンピースにも似たスタイルで、いまにもお尻がこぼれだしそうなマイクロミニだった。

さすがに捨ててはおけなかった。
抗議しなければならない。
と、ハリケンブルーが振り返ろうとしたとき、出鼻をくじくような感じで、マイクを通して、日向おぼろが話しかけてきた。

『――七海』

『は、はい?』
と、ハリケンブルーは、反射的に返事をする。

『油断するな。奴はこの列車のどこかに乗っておる』

『え、ええ』
と、答えながら、ハリケンブルーは眉間に皺をよせた。
痴漢は、尻に手をそえたまま、もう片方の手を、ミニからこぼれる太腿に伸ばしてきたのだ。

メッシュのついた白銀のスキンスーツに包まれているせいで、ちょうど網ストッキングをつけているかのような、悩ましい太腿だった。
それを、きわどい超ミニで見せつけている様は、痴漢ににとっては、たまらない眺めと映るのかも知れなかった。

『ええか、無茶はあかんで。なんとか人が少ないところまで、誘いだすんや』
『わ、わかってる』
『顔はおぼえとるんやろ。早いとこ、見つけだすんや』
『う、うん』

おぼろの話を聞きながら、ハリケンブルーは気が気でない。
痴漢の手が、スキンスーツの前腿を、いやらしい手つきで撫でているのだ。

たまらずに押しのけた。
すると今度は裏腿をさすりあげてきた。
何度か押しのけたが、痴漢はしつこかった。

ことを荒立てたくはない。
と、ハリケンブルーは思った。
シノビスーツを痴漢されていることを、できれば司令室に知られずにすませたかった。

『いずれ、奴は電車をおりる。それか、終着駅まで行くしかない。そのときが、チャンスや』
『は、はい』
と、ハリケンブルーは、ぎくりとした。
痴漢の指先が、シノビスーツの裾先にかかり、すっと捲り上げてきたのだ。

『――あっ』

一瞬のことだった。
咄嗟にハリケンブルーにできたことは、前裾をグローブの両手で押さえるだけだった。
青いコスチュームパンツの尻が、あっさりと丸出しになり、ハリケンブルーはコクリと唾を呑んだ。
いきなりてのひらが吸いついてきた。
まるで下着の尻を触られたような感覚に、ゾクリとうなじの毛が逆立った。
日向おぼろが、怪訝そうに尋ねてくる。

『どうした、七海?』

こんなとき、なんと答えたらいいのか、わからなかった。
頭が真っ白になっていた。
スカートの中まで痴漢されるなど、はじめての経験だった。
ようやく、ハリケンブルーはやっとの思いで返事をした。

『な、なんでもない』

取り返しのつかない対応をしてしまったような気がして、思わずうなだれると、痴漢の手が、ゆうゆうと動き始めた。




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[2009/01/06 05:00] | ハリブル痴漢包囲網 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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