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スリーピング・ビューティー #04

(こ、ここは……)

ちょうど、ホテルに泊まっていることを忘れて目覚めた朝のように、永瀬麗子は、見当識の喪失に襲われた。

さほど広くはない部屋で、薄暗い。
そこらじゅう棚だらけで、段ボール箱やら、なにかの部品らしきものが、ぎっしりとつめこまれていた。

ひどく暑い。
クーラーがないうえに、天井の波状鉄板は、太陽熱でフライパンのように熱せられているのだ。

腕が窮屈なので見上げると、手首が縛りあげられていた。レースクイーンの白い長手袋はつけたままだった。

(いったい……)
と、小首をかしげた。
まだ目覚めたばかりで、頭がはっきりしなかった。

視線を、落とした。

無様に太った男が、仰向けに寝そべって、なにやら締まりのない薄ら笑いを浮かべているのが、瞳に映りこんできた。

デブの髪は、洗髪でもしたように汗でびしょびしょだ。
顔の肉に喰い込むような小さな眼鏡は、レンズが曇っていた。

名前は知らない。
が、よくサーキットに出入りしている、カメラ小僧の一人だということは覚えている。

べつにカメラ小僧をさげすむことはないが、この青年にカメラを向けられると、かすかな不安は禁じえなかった。ミニの奥底を狙おうとするローアングルに、ただごとではない執着を感じるのだ。

(どうして彼が――)
ここにいるのだろう。

永瀬麗子は一度まばたきをして、青年の顔をまじまじとみた。

それに、どうして彼は裸なのだろう。

デブの裸体は見苦しい。
色は生白く、顎の肉が垂れ、胸の脂肪のあまりかたときたら、まるで小さな乳ぶさのようだった。
中年男のビール腹もかくやというような太鼓腹は、小山のようだった。
そんな、脂身のカメラ小僧に、

(ま、跨っている……?)

いいしれぬ不安がこみあげてきた。
胸が苦しくなってきた。
すでに心のどこかでは、最悪の事態に気がついていた。

(ま、まさか……)

視線を、落としていく。
太鼓腹の臍のまわりに、太い無駄毛が渦をまいていた。剛毛は、下腹を這い伝っていくにつれ、そのまま陰毛につながっているのであった。

「あ……」

永瀬麗子は小さく声をあげた。

ボディコンシャスな超ミニのコスチュームが、腰骨までズリあがっていた。赤のチェッカーフラグがプリントされた超ミニは、腰のあたりにタイトにまとわりついていた。
ばかりか、下着をつけていなかった。
恥毛の繁みが、丸出しになっていた。

それだけではない。

永瀬麗子はコクリと唾を呑むと、

(は、入っている……)

さっと顔が赤くなった。
何度もまばたきをした。
なにかの間違いだと自分にいいきかせたが、凶暴な怒張がブスリとのめりこんでいる光景は、決して消えることがなかった。

(ま、まさか……)
入っている。
自覚したとたん、すさまじい圧迫感が下腹に充溢した。
目覚めたときから、この感覚はあったのだ。だが、あまりにも強烈すぎため、かえって無感覚になっていたのだ。

「い……」

いやあっ。

と、永瀬麗子は、振り絞るように叫んだ。
おぞましすぎた。

手を触れるのも躊躇うようなデブの、それも男性器を、もっとも敏感な粘膜で締めつけているのだ。

鳥肌が立った。
ミニの裾先をずりおろそうとしたが、ロープで吊られた両腕はびくともしなかった。

「は、離れてくださいっ。早く離れてくださいっ」
そして、おそろしいことに、蜜を溢れさせてた。
カメラ小僧の肉棒で犯されて、恥部が熱くたぎっているのだ。

「くっ」
永瀬麗子は歯を食いしばると、ブーツの足を踏みしめた。

抜く。
そう。
立ち上がることで、自分のなかからペニスを抜かなければならない。

おそらく、眠っているあいだにも、力をいれつづけていたのだろう。太腿の筋肉はパンパンに張りつめて、自分のものではないかのようだ。

永瀬麗子が尻を持ち上げると、
「くうっ」
ゾゾッと肉棒が擦れる感覚が生まれてくる。
甘いざわめきが下腹に広がったが、それは無視した。

さらに持ち上げる。
さざ波のような愉悦が溢れだし、腰がとろけていきそうだった。

奥歯をかみしめて声を殺した。
顔には汗が玉となって浮かび上がり、快美と闘うのに、気力のほとんどを使わなければならなかった。

ぬ、抜かなくては……。

パンパンになった腿の筋肉に、いちだんと力をみなぎらせる。
ブーツの底は厚く、しかも高いヒールがついていた。
もちろん脚線の美しさを引き出すためで、およそ運動には向いていなかった。

それが滑った。
ヒールの底の硬質ゴムが、床に滴った汗を踏んだ瞬間に、つるりと滑ったのだ。

「あっ――」
デブの下腹に、したたかに尻餅をついた。
盛大なストロークを打ち込まれたのと、同じことだった。

「あぅっ!」
永瀬麗子は喉をのけぞらせた。
峻烈な快美感が、四肢を走りぬけた。

一瞬、意識が遠のいたほどだった。
全身がとろけるような喜悦があふれ、つかのまだが、いまの状況が頭から消え去るほどだった。

「感じまくってるじゃないですか、永瀬さん」

カメラ小僧にからかわれると、永瀬麗子はハッと気を取り直す。
もう一度、抜こうと試みるが、腿にはもう力が入らない。

筋力が疲労しつくしたうえに、別の感情に支配されているのだ。
カメラ小僧の男根をいとおしむように、襞がざわりとうごめき、永瀬麗子は鋭い視線をデブに突き刺した。





[2006/09/09 15:24] | スリーピング・ビューティー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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