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黄昏の決闘 #01

(こ、このままじゃ……)

ハリケンブルーは、忍者刀を逆手に構え、あらためて敵と向かいあった。
力は尽きかけていた。
かろうじて立ってはいるが、足もとすらおぼつかなかった。

敵はたいへんな使い手だ。

紙一重でかわしつづけているが、それも、もしかして、いたぶられているようなものかもしれなかった。
正統な剣ではなかった。
しかし、忍びの技などでくらますことのできない、練りあげられた太刀筋に違いなかった。

暗殺剣。
黒い革袴を穿きこんだ浪士風の男は、忍びではない。いずれ名のある剣術使いなのだろうか。

「どうして、どうしてジャカンジャなどの味方をする」
ハリケンブルーが男を問いつめるが、男は薄く嗤うだけだった。

頬の削げた蒼白い顔つき。
病人のように窪んだ目。

浪士風は、じろりとハリケンブルーをねめつけると、
「おもしろい、女か」
シノビスーツにつつまれた胸や腰の曲線に、舐めるような視線をそそぎこんでくる。

(こ、こいつ……)

浪士が、さりげなく足を踏み出した。
対するハリケンブルーも同時に進み、浪士の太刀が一度だけ振りおろされた。

「――くっ」
ハリケンブルーは、膝をつきそうになった。

農色シールドの片眼の部分が、アクリルのように砕け落ちていた。
ばかりか、ヘルメットの眉庇から、割れたような亀裂が入っていた。

あり得ないと、ハリケンブルーは思った。
完全装備のシノビスーツが、破損したことなどかつてなかった。
しかも、それをしてのけたのは、エネルギー兵器ですらないのだ。

(ま、負けるもんですか)

あらためて対峙すると、割れたアイシールドから覗き出す凛々しい瞳の輝きに、浪士は目を細める。

浪士が構えをつくった。
地摺りの下段。
本気ということか。
男の全身から、妖気のようなものがただよいはじめる。

(う、受けることができるの……)

砂を巻き上げるように、男の剣先が動いた。






[2006/09/01 14:50] | 黄昏の決闘 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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